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学長交渉

組合とのやりとり

組 合: 丁寧な説明には感謝するが、残り時間は25 分しかない。重要な事項に関しては継続的にまた日を改めて交渉に応ずる約束をしてほしい。
学 長: 拒むつもりは全くない。
組 合: 人事院勧告についても、運営費交付金の額も決まっていないので、決まった後に交渉をよろしくお願いする。確認できることから始めたい。院の手当のボーナス反映は公務員準拠の方針で早く正常に復したいと言うことでいいか。
学 長: その通りである。
組 合: ボーナス反映分カットは約3千万ではなかったか?確認してもらいたい。地域手当は6%をできるだけ維持したいと言うことでいいか。
学 長: せっかく上げたので維持したい。公務員準拠という考えである。
組 合: 国家公務員の給与に準じて改定するとおっしゃったが法的根拠は何か、きちっと押さえておきたい。
学 長: 法人だから自由度はあるが、民間給与調査の専門家が大学にいる訳ではない。それで人事院勧告に準拠した国大協の資料に依っていると言うことである。
組 合: 法的には、国立大学法人の給与等に関しては独立行政法人通則法の63 条に準拠するとなっており、そこでは「業務の実績を考慮し、かつ、社会一般の情勢に適合したものとなるように」とあり、人事院に準拠せよとは全くなっていない。そこを認識してほしい。
学 長: それはその通りである。
組 合: 大学収入を増やすのは経営者の責任である。国立大学は人件費削減の目標をすでにクリアーしている。“乾いた雑巾をさらに絞るような”と喩えた人がいる、今回さらに臨時人件費削減となれば国立大学は壊滅的打撃を受ける。収入の内、運営費交付金の比重が大きいのだから、交付金を減らさない働きかけをするのは当然である。国大協ももっと積極的に運営費交付金確保の運動をすべきである。
総務課長: 国大協も反対アピールを出すなど、努力はしている。
組 合: 国大協の中でも温度差がある。学長には積極的に動いて頂きたい。
学 長: 昨年もパブリックコメントや、議員を通じて訴え、58億が別枠で継続となったが、それでも効率化係数1%が実質掛かってきた。今年も国大協で努力している。
組 合: 毎年1%で苦労している。10%掛かるというのはレベルの違う話だ。これは死活問題だと言うことをもっと大きくアピールしないといけない。
組 合: 人勧準拠を謳うなら下げないはずだ。文科省の概算要求自体は190億の増である。また災害復興のため(人件費削減やむなし)というのは嘘で、復興対策経費はシーリング外である。(経費削減の)根拠は中期財政フレームであろう。それで10%削減にはならないはず。復活予算もあるだろう。日本再生重点化措置の7000 億も見込まれている。そうした中で、10%削減のシミュレーションを(早速)やったのはどうかと思う。
学 長: 人事調整会議で、公募すると期間が長くなり [長期的に財政に影響するので]、シミュレーションを行ったのである。当然復活予算はある。国大協での文科省の説明でも財務省とのやりとりに関して言及があった。
組 合: 法人の予算は自主性があると言っても、交付金を大幅に下げられたらどうしようもない。文科省の概算要求での大学配分額の根拠があったはずで、そのとき給与を国家公務員並みに下げることを前提としたのか。そうだとすればおかしい。もう一つ、国家公務員準拠の立場を今後維持し続けるのか。それだと、公務員給与が下がれば宇大も下げることになるが。
学 長: 我々が準拠といっていたのは、国大協が参考にした人勧に対してである。
組 合: 大学の言う公務員準拠は震災対応の削減以前の人勧準拠と考えていいか。
学 長: 考え方はそうだが、そうと言い切ると、震災後の復興財政であるなかで、国民の目にどう対応するのかと言う問題がある。
総務課長: 24年度予算概算要求組み替え基準には、“「国家公務員の給与の臨時特例に関する法律案」と「平成23 年度人事院勧告」については、法案の審議状況や人事院勧告の今後の取扱い方針等に応じて、通常の取扱いの例により予算編成過程で検討し、その影響額を適切に反映する。”とある。だから、その辺は今後のことではっきりしていないのが現状である。
学 長: 基本的には副委員長のいう通りだが、今年度についてはどうかというと、国民の目もあると文科省も言っている。しかし10%は極端で、何%かは現時点ではいえないとなっている。
組 合: 給与大幅削減に連合がなぜ合意したか理解に苦しむが、2005 年の給与削減の時には、経過措置[いわゆる現給保障]があった。4.8%減で経過措置があったのに今回はないとすれば問題だ。もう一つ国立大学法人評価委員会の財務内容改善の総人件費改革は、超過達成されている。宇大も達成している。社会一般に対する説明ができないのではなく大学として説明する努力が足りないのではないか。それから、先ほど確認した通則法の“社会一般の情勢に適合したものとなるように”の“社会一般の情勢”には私大との教員賃金比較も入るべきである。国立は中堅私大よりかなり低い。また事務職員に関しては国家公務員よりラスパイレス指数でかなり低い。これらもちゃんとした社会の情勢であり、これらを考慮すれば賃金削減など考えられないはずである。
組 合: 給与に関しては、交付金の額が出てきてから、再度、交渉を持ってほしい。
学 長: 削減の率は現時点では分からないし、10%などと言われた時も、全国学長の会ではあまり危機感がなかった。大震災という今までになかったことが起こったからかとは思う。
組 合: 震災復興にはもちろん協力すべきだが、給与大幅削減に打撃を受けないほど余裕のある人は少ない。ローンを抱えぎりぎりの生活をやっている人も多いだろう。(だからこそ前回は現給保障があったのであり)大幅削減案を通すのは全く乱暴だ。
組 合: 時間もないので、再度確認として、助教に対する研究費補助の措置は来年度以降も続くのか。
学 長: 学長戦略経費から出している。できることならやりたい。放射能への対策も学長支援プロジェクトとしてこの予算から出ている。
男女共同参画
専門委員:
子供未来財団のベイビー・シッターの助成に関して、バウチャーを利用者に渡す事務作業をお願いした。
大学: あまり費用が掛からないのであれば検討したい。
組 合: 確認として、パートの3 年雇い止め問題は、5 年を実現している東大、京大など以外の中・小規模大学の資料をそろえて改めて交渉をお願いしたい。運営費交付金減とならないよう、国大協等を通して努力してほしいが、もし不幸にして給与に響く削減案が出れば、当然、組合と交渉することを確認してほしい。年度が押し詰まってからでは困る。
学 長: はっきりし次第お知らせする。
賃・労専門委員: 人事異動に関しては、大幅に変わって学部に影響が出ることが続いている。もう少しバランスを考えてもらいたい。特に4,5月に就学支援課で大幅移動があり、事務部には大変なストレスが掛かったようだ。
学 長: 確かに問題のあった部署があることは承知している。こちらも個人事情なども考慮してやっているつもりだがさらに配慮する。
賃・労専門委員: 男女共同参画については、女性教員支援や子育てももちろんだが、ハラスメントをなくすことが男女共同参画社会基本法に含まれている。専門部署を置くという要求には、皆が安心して働ける環境を作るという観点があることを言っておく。